CHINESE TEA CULTURE

茶海・公道杯について

中国茶を淹れる時間と、茶の味わいをつなぐ茶器

林檎茶海
林檎茶海 どの茶器にも合う ガラス製の茶海

茶海、またの名を公道杯という茶器は 中国茶の淹れ方・茶器の現状をよく表している茶器です。

まずその名前ですが、茶海と呼ぶのは主に台湾・日本で、 大陸中国では公道杯と呼ぶことが多いようです。

茶海の役割

お茶を均一に、そして適切なタイミングで楽しむために

01

茶の濃度を均一にする

それぞれの杯に注ぐ前に茶海へ一度お茶を移すことで、 茶の濃度を均一にしてから各々の杯に注ぎ分けます。

02

抽出時間をコントロールする

一気に茶海に注ぐことで、 茶壺や蓋碗の中でお茶が抽出され続ける時間を コントロールしやすくなります。

茶海は単に「お茶を移し替える器」ではなく、 茶を淹れる工程と、それぞれの杯で味わう時間を つなぐ役割を持っています。

中国茶の淹れ方と茶海

日本で親しまれている中国茶のスタイル

現在、日本で中国茶を淹れる際には、 広東省が発祥とされる工夫式・あるいは台湾の茶芸を参考にした 淹れ方が多いのですが、 どちらも少量の烏龍茶を手間ひまかけ礼を尽くして淹れるというものです。

少量のお茶を丁寧に淹れ、
一杯ずつ味わう。

中国全体から見る茶文化

一方で中国全体で見ると烏龍茶はお茶全体の生産量の 1、2割にすぎず、主流は緑茶、歴史的に見ても緑茶の影響力は大きいのです。

緑茶だけではありません。 プーアル茶をはじめとする黒茶などお茶の種類も多様で、 飲み方も各地で異なります。

烏龍茶 OOLONG TEA

工夫式など、少量のお茶を手間ひまかけて 丁寧に淹れるスタイルと深く関わっています。

緑茶・黒茶 GREEN / DARK TEA

中国茶には緑茶や、プーアル茶をはじめとする黒茶など、 多様な種類があり、地域によって飲み方も異なります。

宜興と紫砂茶壺

紫砂茶壺で知られる中国茶文化の重要な地域

YIXING · JIANGSU

宜興市と中国茶文化

例えば紫砂で有名な宜興市は 茶壺の発祥の地といわれています。

紫砂茶壺はその土で焼いた茶壺は烏龍茶の味を やさしく引き立てると言われ、 まさに中国を代表する茶器です。

さらに、中国を代表する緑茶「碧螺春」の産地でもあるので 宜興市は中国茶文化上、きわめて重要な存在です。

宜興では茶海がどう見られているか

ところが宜興市の紫砂壺作家は茶海をあまり作りませんし、 茶海が入っているセットを見ると茶海の容量が 茶壺より小さいことが多いのです。

理由としては、宜興市では高級な茶壺は茶壺のみで販売され、 セットで販売されることは少なく、 セットといっても茶壺だけそこそこのものに 全く違う土の茶海や杯を寄せ集めている、 つまり適当であるというのがひとつ。

もうひとつは宜興の紫砂の製造販売をしているお店で聞いたところ、 茶海の役割は濃度を均一にするとのこと。 抽出時間をコントロールするという役割は知りませんでした。

つまり日本や台湾・広東などの南方とは 茶海の理解が違うというか、あまり知らないようです。

工夫式が生まれるはるか昔から茶文化の中心であった宜興の人からすれば、 工夫式に追随する必要はないといったところでしょうか。

茶海・公道杯への理解

このように茶海・公道杯に対する理解は一定ではありません。

地域や茶文化、そして実際のお茶の淹れ方によって、 茶海に求められる役割にも違いがあります。

茶海・公道杯は、
中国茶の「淹れ方」と「楽しみ方」をつなぐ茶器。

茶海を選ぶ際のポイント

茶壺・蓋碗と一緒に使うなら、容量にも注目

茶壺より大きいものを

ただやはりお買い求めいただく際には 茶壺より大きいものを選ぶのが無難でしょう。

天香では紫砂の茶海も特注で用意していますが、 そこまでこだわらないということでしたら、 ガラスの茶海も紫砂壺に良く合うのでおすすめです。

茶海がつくる中国茶の時間

茶壺・蓋碗を購入したら次は茶海。

機能的な面ばかりでなく、 小さい杯を使い、お話をしながら、 ちょいちょいお客様に注いで差し上げる。

そんな中国茶の間合いを実現する上でも ぜひとも用意したい茶器です。

中国茶を囲む時間

茶を淹れる人と、茶を味わう人。
茶海はその間をゆっくりとつなぎます。